2023年3月28日火曜日

広島「平和写真展」、広河隆一氏の写真展示を企画するも急遽中止

 『週刊文春』を提訴したことをSNSで報告した翌日の2023年3月24日、広河隆一氏は次のような告知を行った。


写真展のちらしや報道などから明らかになったところでは、主催者の「平和写真プロジェクト」(工藤一義会長)が過去に刊行した写真集から選んだ110点の写真と「同時展示」のかたちで広河氏の写真が65点展示され、さらに初日の4月4日には広河氏本人によるギャラリートークも予定されていた。「個展」とまでは言えないにせよ広河氏を大きくフィーチャーした企画であったと言えよう。

この情報がSNSで知られるようになるとたちまち抗議の声が上がり、「平和写真プロジェクト」や広島県立美術館に直接抗議、問い合わせを行う市民も現れた。 『週刊文春』を提訴することで自らの加害を否認する姿勢を明確にしたばかりであることが、批判の広がりにつながった可能性がある。

そして週が開けた3月27日午前、広河氏はツイッターで展示の中止を告知、共同通信の速報を皮切りにメディア各社が取り上げる事態となった。

当ブログでも報告したように広河氏は昨年沖縄で写真展を企画し、やはり批判を受けて中止している。主催者は当然今回の抗議を予測できたはずだが、問い合わせを行った市民や報道によれば「広河氏個人と作品は別」という論理で展示を正当化できると考えていたようだ。この論理は広河氏の性暴力が告発された当初から現れていたものだが、「写真家としての活動の中で、フォトジャーナリストとしての地位を利用して振るわれた性暴力なのだから、個人と作品を切り離すのはおかしい」といった反論もまた早くから行われていた。そうした反論に対して再反論することばを主催者はもっていなかったようである。

さらに『産経ニュース』『日刊スポーツ』によれば主催者は「写真活動の権利や自由を理解してもらえず残念」というコメントを出したとのことである。加害責任に向き合おうとしない広河氏の態度を容認した自分たちの認識の甘さを棚に上げ、また自らが謳う「写真活動の権利や自由」について「理解」を得るための努力も放棄したまま、抗議者に責任を帰するかのようなコメントは、それこそ「残念」としか言いようがない。

2023年3月24日金曜日

速報:広河隆一氏が文春を訴えた

 広河隆一氏は昨年12月初頭からぱたりとFacebookやTwitterでの発信をやめていたので何かが起こるとの予感があったが、3月23日、TwitterとFacebookで、株式会社文藝春秋を名誉毀損で訴えたとの報告があった。以下は氏のTwitter。Facebookでも同じ内容の報告をしている。

さる3月14日には、性犯罪の実態に合わせた刑法の改正案などが閣議決定された。「強制性交罪」を「不同意性交罪」に、「強制わいせつ罪」は「不同意わいせつ罪」に変更し、従来は「暴行や脅迫」を用いたことが構成要件になっていたが、そのような「暴行や脅迫」の要件が見直され、構成用件として、1)暴行又は脅迫を用いる 2)心身に障害を生じさせる 3)アルコール又は薬物を摂取させる 4)睡眠その他の意識が明瞭でない状態にする 5)拒絶するいとまを与えない 6)予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、又は驚愕させる、いわゆる「フリーズ」状態、7)虐待に起因する心理的反応を生じさせる 8)経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させる の8項目が加わった。その他、時効の延長、性行為の同意ができるとされる年齢を13歳以上から16歳以上に引き上げる、性的行為を目的に子どもを手懐ける「グルーミング」にあらたな罪を設けるなどの刑法改正が、政府は今国会で成立を目指すという。(参考:NHKハフポストなどの報道)

広河隆一氏の性暴力の場合は、フォトジャーナリストを目指す等の目的で氏の事務所で働いたり、ボランティアをしたりしていた若い女性たちが被害に遭っており、明らかに氏の経済的、社会的関係上の地位を利用した性暴力であった。日本でも刑法の規定が変わり、「同意なき性」が性犯罪であるという当たり前のことがやっと認められるようになるという矢先に、広河隆一から、自身の性暴力を告発した媒体に対して訴訟を起こすという行為は、社会の動きに完全に逆行しているとしか思えない。

当の広河氏は、「この数年間、社会的なバッシングを浴び続けてきました」と言っている。自分が性暴力の加害者であることを認めていないことで受けてきた批判を「バッシング」としてしか受け止められず、自分を完全に被害者化している。そこには氏の性暴力の被害者への配慮などは片鱗も感じられず、これから裁判が進行するにおいて、被害者たちがあらゆる形でセカンドレイプ(二次加害)を受ける可能性も全く考慮していないようだ。

わたしたち「忘れない会」は、この裁判を注視し、情報を収集し、このブログ上で随時報告していくつもりだ。