広河隆一氏は昨年12月初頭からぱたりとFacebookやTwitterでの発信をやめていたので何かが起こるとの予感があったが、3月23日、TwitterとFacebookで、株式会社文藝春秋を名誉毀損で訴えたとの報告があった。以下は氏のTwitter。Facebookでも同じ内容の報告をしている。
訴訟提起のご報告
— 広河隆一 (@RyuichiHirokawa) March 23, 2023
令和5年3月23日
私は、株式会社文藝春秋を被告として、令和5年3月17日付で東京地方裁判所に対し、損害賠償請求訴訟を提起いたしましたので、ご報告いたします。
この訴訟は、文春オンラインに、私が女性をレイプしたとの記事が掲載されたことが名誉毀損であると訴えるものです。
この件については、私は、この数年間、社会的なバッシングを浴び続けてきました。それを逃れる道は、この記事内容が事実でないという私の主張を、裁判の場で証明するほかないと考えるに至った次第です。広河隆一
— 広河隆一 (@RyuichiHirokawa) March 23, 2023
さる3月14日には、性犯罪の実態に合わせた刑法の改正案などが閣議決定された。「強制性交罪」を「不同意性交罪」に、「強制わいせつ罪」は「不同意わいせつ罪」に変更し、従来は「暴行や脅迫」を用いたことが構成要件になっていたが、そのような「暴行や脅迫」の要件が見直され、構成用件として、1)暴行又は脅迫を用いる 2)心身に障害を生じさせる 3)アルコール又は薬物を摂取させる 4)睡眠その他の意識が明瞭でない状態にする 5)拒絶するいとまを与えない 6)予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、又は驚愕させる、いわゆる「フリーズ」状態、7)虐待に起因する心理的反応を生じさせる 8)経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させる の8項目が加わった。その他、時効の延長、性行為の同意ができるとされる年齢を13歳以上から16歳以上に引き上げる、性的行為を目的に子どもを手懐ける「グルーミング」にあらたな罪を設けるなどの刑法改正が、政府は今国会で成立を目指すという。(参考:NHK、ハフポストなどの報道)
広河隆一氏の性暴力の場合は、フォトジャーナリストを目指す等の目的で氏の事務所で働いたり、ボランティアをしたりしていた若い女性たちが被害に遭っており、明らかに氏の経済的、社会的関係上の地位を利用した性暴力であった。日本でも刑法の規定が変わり、「同意なき性」が性犯罪であるという当たり前のことがやっと認められるようになるという矢先に、広河隆一から、自身の性暴力を告発した媒体に対して訴訟を起こすという行為は、社会の動きに完全に逆行しているとしか思えない。
当の広河氏は、「この数年間、社会的なバッシングを浴び続けてきました」と言っている。自分が性暴力の加害者であることを認めていないことで受けてきた批判を「バッシング」としてしか受け止められず、自分を完全に被害者化している。そこには氏の性暴力の被害者への配慮などは片鱗も感じられず、これから裁判が進行するにおいて、被害者たちがあらゆる形でセカンドレイプ(二次加害)を受ける可能性も全く考慮していないようだ。
わたしたち「忘れない会」は、この裁判を注視し、情報を収集し、このブログ上で随時報告していくつもりだ。