2022年6月29日水曜日

広河隆一氏、加害への謝罪もないまま沖縄でウクライナ写真展を開催予定

広河隆一氏が7月5日から、沖縄の那覇市民ギャラリーで「私のウクライナ――惨禍の人々」と題された写真展を開催することが、6月29日に『沖縄タイムス』で報道された。その前日、6月28日にウクライナ大使館がこの写真展を宣伝するツイートを行ったことで批判を受けたためか、そのツイートが間もなく削除されたという展開もあった。

 『沖縄タイムス』の報道によれば、「戦争の犠牲になるのは子どもや女性だという事実を、緊張が高まる沖縄で伝えたい」が目的だとしつつ、広河氏は同紙の6月28日の取材に対して、「何をもって性暴力というのか」などと述べたという。広河氏が今に至っても、自らの性暴力加害について全く理解もせず、認めてもいないということが明白である。 

 さらに、当該記事を報じた阿部岳編集委員のツイートによれば、広河氏は「仕事と性暴力事件を切り分けることも希望した」という。

   
 阿部編集委員も言うように、広河氏の性暴力やセクハラ、パワハラはまさにデイズジャパン編集部や、取材の現場などといった仕事の場で権威を利用して行われたものであり、自分の都合で切り離したりできるものではない。こうした広河氏の反応からも、自らの加害を全く真摯に受け止めていないことがよくわかるといえるだろう。 

 さらに、現在このサイトは消えているが、広河氏は展示のためにボランティアを募集していたこともわかっている。 アルバイト料も払わずボランティアを募集しているのもどうかと思うが、広河氏は「フォトジャーナリズムに興味ある方、写真が好きな方、学生(18歳以上)歓迎します。最終日は懇親会、意見交換など行いたいと思います。」のだという。広河氏による被害を受けた人たちは「フォトジャーナリズムに興味がある方」たちだったのだが、自らの加害を認めず反省もないままに、そうした人たちを募集し、さらに「懇親会」まで行う予定だという。

  TwitterやFacebookなどでも抗議の声が上がり始めており、『沖縄タイムス』紙は地元でも抗議の動きがあると報じている。写真展をめぐる今後の動きについて、当会も注目しつつ、謝罪もないままの広河氏の活動再開について強く批判していくつもりだ。

2022年6月3日金曜日

広河隆一氏がnote弁明文で、木村嘉代子氏が広河氏擁護ブログで、それぞれ裏付けもなく『文春』取材で金銭授受があったかのように記述。記者と元社員3人は否定。

2022年3月8日、広河隆一氏は、自らの性暴力を認めることもしないまま、前文と8章で構成されている長文を「note」に発表した。女性の人権をこれだけ侵害した人間が、よくも「国際女性デー」に当てつけるかのごとくの投稿をしたと思う。自分の性暴力の禊を目的とした投稿で被害者の傷に塩を塗る行為ではないかと思うと同時に、アンチフェミニズム的な挑発にも見える。 

また、広河氏はnoteプロフィール写真に子どもの写真を使っているが、無垢な幼い子の写真で汚れた自分のイメージを洗浄しようとでもいうのだろうか。広河氏はこの被写体に許可を取っているのか。報道写真では被写体すべてに許可を取れないときもあるだろうが、これはよりによってプロフィール写真であり、広河氏は自分自身を代表する画像としてこの写真を使っているのだから報道写真の場合とは事情が違う。 

広河氏が書く性暴力についての弁明文のプロフィール写真に自らの顔写真を使うことを進んで許可する人などこの世にいるのだろうか。この被写体には人格と権利がある。広河氏は、自分のイメージ洗浄のために幼い子の顔を消費することからして、今でもやはりpredator-数々の性暴力やパワハラを行ったときと同様、自分より弱い相手を獲って喰う捕食者であることに変わりはないのではないか。 

この長文の内容は全体的に、加害者である自己の被害者化、『週刊文春』の記事とデイズジャパンの「検証報告書」が信用できるものではないという印象を作り出そうとしている文である。広河氏の被害者にとっては二次加害どころではない、とても耐えられない文章であろう。いろいろ批判すべき点はあるが、今回は一点のみ最終章の重大な問題を取り上げたい。 

最終章「欠けたピース」の中で、広河氏は、YouTube に公開された対談番組(2021年3月1日ライブ配信とある)で、DAYS JAPAN の最後の編集長であったジョー横溝氏が「デイズ社の社員が会社情報を週刊文春の田村記者にリークして収入を得ていた可能性について、重要な証言をしている」と書いている。この番組で横溝氏はその情報をデイズ社の顧問弁護士であった馬奈木厳太郎弁護士から得たと言っている。 

広河氏にとって2018年のデイズ社内でのいろいろな動きに不可解なところがあるということでそれを「欠けたピース」と呼んでいたが、対談番組で横溝氏が聞き伝えで言っていることについて、 

「つまり欠けていたピースには、創刊以来およそ15年間『DAYS JAPAN』で校正を中心に働いていた『週刊文春』の田村記者が、私のスキャンダル情報を集めるためにデイズ社の社員に金銭を支払って、社内情報提供を依頼していたということを証明するものだった。」 

と、「証明」とまで言い切ってしまっている。横溝氏も「可能性」としか言っていないのに、である。それも広河氏は、「横溝編集長と馬奈木弁護士は良好な関係にあったことから、このユーチューブでの横溝氏の証言は正しいと考えて間違いないだろう」と、裏付けでもなんでもない「良好な関係」を、あたかも根拠であるかのように語っているのである。 

最後には、「直接関係があるわけではないが」と言いながら、元『文藝春秋』と『週刊文春』の編集長を務めた木俣正剛氏が自著において、週刊誌への情報提供に対し「一銭も支払っていない」と強調している部分を引用してこの長文が終わっている。 

要するに、広河氏はこの8章の長文の最後に、自分の加害行為についての話題から完全に離れ、『週刊文春』で自分の人権侵害を告発した田村記者が、週刊誌の慣行に背いて金銭でDAYS JAPANの社員から情報を買っていたと、読者に印象づけて終えているのである。 

田村氏と4月に会話する機会があった。その際にこの部分について話題になったが、田村氏は、「情報をお金で買うようなことは一切しておらず事実無根」と言っていた。広河氏が8章で触れているDAYS JAPAN 元社員のKLI各氏(広河氏が文中で使ったアルファベット通り)にも聞いてみたところ、自分たちが田村氏から金銭を得て情報提供していたという事実は一切ないし、他の人についてもそういうことは聞いていないと言っていた。 

広河氏が、金銭授受という重大な問題について、伝聞だけで「証明だ」と騒ぎ立てることはジャーナリストの風上にも置けない人間とはいえないか。広河氏はこれを本当のことと決めつけ、何の確認手続きも踏まず、馬奈木氏の弁護士としての倫理問題にまで踏み込んでいる。 

ちなみに、このブログでも頻繁に取り上げて批判してきた、木村嘉代子氏が主に執筆をしてきたという、事実上広河隆一氏擁護を展開しているブログ「セクハラ報道と検証を考える会」でも、「週刊文春デイズジャパンのセクハラ記事は本当に正しいか?2/2 情報のリークに金銭支払いの疑いも」という見出しの記事がトップに出てくる(2022年5月30日アクセス時)。それも、ジョー横溝氏の発言を引用し、最後に、必要もないのに『週刊文春』元編集長の木俣正剛氏を引用して終わっているところも広河氏のnoteと同じである。 

「考える会」ブログの記事のほうが先なので、広河氏は、このブログを参考にしている可能性もあるし、このブログは広河氏と直接つながりがあることをすでに明らかにしているので、何の驚きもない。ブログでは「裏を取っていないため、これが事実かはわかりません」と言っているが、見出しで「情報のリークに金銭支払いの疑いも」と書いてしまっていては、その「疑い」が真実であるように印象づける意図があることは明らかだ。 

田村氏や上記の元社員の三人が、これについて広河氏や木村氏から取材を受けたということもないようだ。広河氏も木村氏も、「裏を取る」努力もせず、ただ疑惑だけを拡散したかったのであろう。 

広河氏はその後何事もなかったように復活しており、フェースブックやツイッターでの発信も行っている。noteの長文で禊は済んだと自分で勝手に判断したかのようである。このnoteの文は、自分の性暴力を認めず、『文春』記事や検証委員会批判に明け暮れることで被害者を二度、三度傷つけ、最後は裏付けもない田村記者やデイズ元社員への誹謗中傷で完結した文である。

(文責 乗松聡子)